当院では、幼稚園などへ歯科検診に伺う機会があります。
その際に、よく見られるお悩みや症状をご紹介します。
今回は、3歳のお子様の保護者の方から「指しゃぶりによる歯並びへの影響が心配」というご相談についてです。
今回の検診で分かったこと
今回の検診では、左手の人差し指に吸いダコが確認され、現在も指しゃぶりの習慣が続いている様子でした。
一方で、現時点では大きな歯並びの異常は認められませんでした。今の段階で目立った問題がないことは、まず安心できるポイントです。
ただし、指しゃぶりが長期間続くと、前歯が前方へ傾いたり、上下の前歯が噛み合わなくなったりするなど、歯並びや顎の成長に影響する可能性があります。
「やめさせる」だけが正解ではありません
指しゃぶりは、眠いときや不安なときなどに気持ちを落ち着かせる役割を持っていることがあります。そのため、頭ごなしに「やめなさい」と言うだけでは、かえってお子様の負担になってしまうこともあります。
大切なのは、お子様の様子を見ながら、無理のない方法で少しずつ卒業を目指すことです。
指しゃぶりを減らしていくためには、指しゃぶりをしている場面や時間帯を把握する、別の遊びやスキンシップに置き換えるなど、さまざまな工夫があります。お子様によって合う方法も異なるため、必要に応じて歯科医院で相談してみるのもよいでしょう。

歯並びだけでなく「お口の使い方」も確認しましょう
子どものお口は成長に伴って変化していきます。指しゃぶりのような習慣だけでなく、舌の位置や飲み込み方、口呼吸などの口腔機能も、歯並びや噛み合わせを考えるうえで大切なポイントです。
必要に応じて、MFT(口腔筋機能療法)を取り入れながら、お口の使い方を確認していくこともあります。
最近ではSNSなどでもMFTについて分かりやすく紹介されています。MFTとは、舌や唇、頬などのお口周りの筋肉を正しく使えるようにトレーニングする方法です。歯並びだけを見るのではなく、お口の機能を整えることを目的として行われます。
正しい方法で行うためにも歯科医院を受診しアドバイスをもらうことが大切です。

定期的なチェックで成長の変化を見守る
現在は歯並びに大きな問題がなくても、成長や指しゃぶりの継続によって、今後変化が見られる場合があります。
そのため、3~4か月ごとの定期検診などで、歯並びや噛み合わせ、顎の成長を確認していくと安心です。
指しゃぶりは、すぐに無理やりやめさせるのではなく、お子様の気持ちにも寄り添いながら、少しずつ卒業を目指していきましょう。成長に合わせて、お子様に合った方法を一緒に考えていくことが大切です。
