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舌の正しい位置とは?
歯並び・口呼吸への影響と
改善トレーニング

舌の正しい位置は、歯並びや口呼吸、いびきなどに深く関わっていることをご存じでしょうか。このページでは、舌の正しい位置の目安やセルフチェックの方法、家で続けやすい改善トレーニングについて詳しくご紹介します。

舌の正しい位置はどこ?

舌の正しい位置とは、口を閉じているときに 舌全体がやさしく上顎についている状態 をいいます。ぼんやりしているときやテレビを見ているときなど、力を入れていない場面で、舌がこの位置にあるかどうかが大切です。
このとき、上下の歯は強く噛みしめずに軽く離れ、くちびるは力を入れずに閉じ、鼻で呼吸しているのが理想的です。舌先がどのあたりにあるか、くわしい位置は、次のセルフチェックで確認してみましょう。

舌の正しい位置が保てない原因とは?

舌の正しい位置を知っていても、いつもその場所に舌をキープできるとは限りません。
ここでは、舌の正しい位置が保てなくなる主な原因を分かりやすくご紹介します。

低位舌・口呼吸などのクセ

舌が下の方にさがっている状態を「低位舌」といいます。低位舌の方は、口を閉じているつもりでも舌の正しい位置である上顎までしっかり持ち上がらず、舌が下の歯のあたりにたまっていることが多いです。これに口で息をする「口呼吸」のクセが重なると、口がポカンと開きやすくなり、舌も下へさがりやすい状態が続きます。いつも口が少し開いている、口の中が乾きやすい、いびきや口臭が気になるといったサインがある場合、低位舌や口呼吸が関わっていることがあります。こうしたクセが身についていると、舌の正しい位置を保つことがむずかしくなり、舌位の改善の妨げになってしまいます。

指しゃぶり・頬杖など子どもの頃の習慣

子どもの頃の指しゃぶりや、頬杖をつくクセも、舌の位置や歯並びに影響しやすい習慣です。長い期間指しゃぶりをしていると、指で前歯を前に押し出す力がかかり、同時に舌も前に出やすい動きが身についてしまいます。頬杖も、片側から顎を押し上げる力が続くことで、顎の位置や歯の傾きに偏りが出ることがあります。こうしたクセが続いた結果として、舌の正しい位置が身につきにくくなり、歯並びの乱れやかみ合わせのずれにつながることがあります。

舌の筋力不足や姿勢のゆがみ

舌もほかの筋肉と同じように、使う機会が少ないと力が弱くなっていきます。やわらかい食べ物が多い食事や、よくかまずに飲み込む習慣が続くと、舌や頬・顎まわりの筋肉が十分に働かず、舌を上顎に持ち上げておく力が育ちにくくなります。また、長時間のデスクワークなどで頭が前に出た姿勢が続くと、顎が下がった位置に固定されやすく、舌も自然と下にさがりやすくなります。このように、舌の筋力不足と姿勢のくせが重なることで、舌の正しい位置に戻しにくい状態が続き、低位舌が習慣になってしまうことがあります。

舌小帯や顎の骨格など体の要因

舌の裏側についているスジを「舌小帯」と呼びます。舌小帯が短かったり、舌の動きに強くつっぱる形になっていると、舌を上顎までしっかり持ち上げにくく、舌の正しい位置を保ちにくい場合があります。また、生まれつきの顎の骨格が小さい・狭いなどの理由で、舌が収まるスペースが足りず、どうしても舌が下がりやすいこともあります。このような体の要因が関係しているかどうかは、ご自身だけでは判断しづらいため、気になる方は一度歯科で舌の動きや顎の状態をチェックすることをおすすめします。

舌の位置が歯並びや全身の健康に与える影響とは?

舌の正しい位置が保てない状態が続くと、お口の中だけでなく全身のバランスにも少しずつ影響が出てくることがあります。ここでは、舌の位置と歯並び・全身の健康との関係を、いくつかのポイントに分けてご説明します。

出っ歯・開咬など歯並びへの影響

低位舌や舌を前に押し出すクセがあると、飲み込むたびに前歯へ少しずつ力がかかり、その結果として歯並びにも影響が出てきます。上の前歯が前方へ傾いてしまう出っ歯や、前歯を合わせてもすき間が空いたままになる開咬、前歯の間にすき間ができやすいすきっ歯などは、舌の位置や舌癖と関係していることが少なくありません。また、舌がいつも下の歯のあたりにある状態が続くと、上顎が横に広がりにくくなり、歯がきれいに並ぶスペースが足りなくなることもあります。
歯並びのイメージ

口呼吸・いびき・睡眠の質への影響

本来、舌の正しい位置は上顎にピタッとつき、鼻で呼吸している状態です。ところが、舌が下がっていると唇が閉じにくくなり、口で息をするクセがつきやすくなります。口呼吸が続くと、口の中が乾きやすくなり、虫歯や歯周病、口臭のリスクも高まりやすくなります。
さらに、横になったときに舌がのどの方へ落ち込みやすくなり、空気の通り道がせまくなることで、いびきや睡眠中の呼吸の乱れにつながることがあります。朝起きてもスッキリしない、日中にぼんやりしやすいといったお悩みの背景に、舌の位置や口呼吸が関係しているケースも少なくありません。
いびきが大きい男性

姿勢やお顔の印象(たるみ・二重顎)への影響

舌の位置が下がったままの状態が続くと、姿勢やお顔の印象にも影響が出てきます。口が開きやすく、顎が前方や下方にずれた姿勢が続くと、首や肩まわりの筋肉に負担がかかり、背中が丸くなりやすくなります。また、舌やお口まわりの筋肉がしっかり使われないと、下顎から首にかけてのラインがゆるみ、二重顎やほうれい線が目立ちやすくなることがあります。舌の正しい位置を意識し、よくかんで食べる・ていねいに飲み込むといった動きを積み重ねていくことは、歯並びだけでなく、お顔まわりの引きしめや姿勢の安定にもつながっていきます。
フェイスラインを気にする女性

お子さまの成長発育・集中力への影響

お子さまの舌の位置は、顎の成長や歯並びだけでなく、全身の発育にも関わっています。舌が下がって口呼吸が続くと、顎が十分に広がらず、歯がデコボコに並びやすくなったり、上顎の成長が不十分でお顔が細長く見えることがあります。
また、口呼吸があると、睡眠が浅くなったり、夜ぐっすり休めずに日中の集中力が続きにくくなることもあります。授業中にぼんやりしやすい、いびきや歯ぎしりが気になるといった様子がある場合、舌の位置や呼吸のしかたが影響している可能性があります。お子さまの口もとや姿勢が気になる方は、一度「舌の正しい位置」が保てているかを確かめてあげることが大切です。
笑顔のこどもたち

自分の舌位は大丈夫?
セルフチェックと改善トレーニング

自分の舌位が正しい位置にあるかどうかは、鏡を見ながらのセルフチェックや、かんたんなトレーニングである程度確認できます。ここでは、ご自宅で続けやすいチェック方法と改善トレーニングをご紹介します。

鏡を見ながらスポットポジションの確認

まずは、舌の正しい位置(スポットポジション)を確認しましょう。 鏡の前で軽く口を開け、上の前歯の少し後ろにある、丸いふくらみを探してみてください。ここが「スポット」と呼ばれる場所で、舌先が軽く触れているのが理想的な舌位です。 スポットを見つけたら、次の順番でチェックしてみましょう。

  1. 舌先をスポットにそっと当てる
  2. 舌の横や奥まで、上顎に吸い付くように広げる
  3. 上下の歯を軽く離し、唇を閉じて鼻で呼吸する

この状態が、力を抜いているときの「舌の正しい位置」です。ぼんやりしているときにも、このポジションを意識できると少しずつ舌位が安定していきます。

飲み込み方・発音で分かる舌のクセチェック

舌のクセは、飲み込み方や発音の様子からもチェックできます。 まずは、唇を軽く閉じて「つば」を飲み込んでみてください。そのときに、

  • 舌が前歯を強く押していないか
  • 舌が歯と歯の間から出ていないか
  • 顎やくちびるに余計な力が入っていないか

を意識してみましょう。飲み込むたびに舌で前歯を押していると、出っ歯や開咬の原因になることがあります。
また、「サ・タ・ナ・ラ行」の発音にも舌位のクセが表れます。ゆっくり声に出してみて、舌が前歯のすぐ後ろあたりで動いているか、歯の間から出ていないかを確かめてみてください。気になるクセがあれば、舌の正しい位置を意識しながら発音を練習することも役に立ちます。

ポッピング(舌吸い上げ運動)

ポッピングは、舌を上顎にしっかり吸い上げるトレーニングです。
舌の筋力アップと、スポットポジションの感覚をつかむ練習になります。

  1. 舌先をスポットに当てる
  2. 舌全体を上顎にぴったりとくっつける
  3. そのまま「ポンッ」と音が鳴るように、一気にはがす

この動きをリズミカルにくり返すことで、舌を上顎に持ち上げる力が鍛えられます。顎や首に力が入りすぎないように、ゆっくりしたペースから始めると続けやすくなります。

MFTベーシックエクササイズ

MFT(口腔筋機能療法)は、舌やくちびる、ほほの筋肉のバランスを整えるトレーニングのことです。ここでは、ご自宅で取り入れやすい基本的なエクササイズの例を紹介します。

  • くちびる閉じの練習

    くちびるに薄い紙やカードをはさんで、落とさないように軽く閉じます。歯を強く噛みしめないように注意しながら、数秒キープしましょう。

  • 舌先タッチの練習

    舌先をスポットに当てたまま、口を軽く開け閉めします。舌先が前歯に当たらないように意識しながら行うことで、正しい舌位の癖づけにつながります。

  • 舌を上顎に広げる練習

    舌先だけでなく、舌の横・奥まで上顎に貼りつけるイメージで、数秒キープします。舌全体で上顎を「ふた」のように覆う感覚を覚えていきましょう。

これらのエクササイズは、無理のない回数から、毎日の生活の中に少しずつ取り入れることが大切です。

ガムトレーニング

ガムトレーニングは、かむ力と舌の動きを一緒に整えるトレーニングです。
シュガーレスガムを使って、かむ場所や舌の位置を意識しながら行います。

  1. ガムを片側の奥歯でかみ、よくかみ砕く
  2. 反対側の奥歯でも同じようにかむ
  3. かんだガムを舌でまとめ、上顎に押しつけるようにして広げる

このとき、舌が前歯の方に出ていかないように、できるだけ上顎の奥の方で動かすことがポイントです。左右バランスよくかむ習慣をつけることで、舌や顎まわりの筋肉がまんべんなく使われ、舌の正しい位置を保ちやすくなっていきます。

舌癖が強い方におすすめの矯正治療

舌の位置を整えるトレーニングを続けていても、舌癖の強さや歯並びの状態によっては、矯正治療を一緒に考えた方がよい場合があります。ここでは、舌癖によって起こりやすい歯並びや、トレーニングだけでは変化が出にくいケース、矯正治療と組み合わせる意味についてご説明します。

舌癖によって起こりやすい歯並びのタイプ

舌癖が強い方に多いのが、前歯のかみ合わせに関するトラブルです。代表的なのは、次のような歯並びです。

  • 上の前歯が前に出てしまう「出っ歯(上顎前突)」
  • 前歯を合わせてもすき間が空いてしまう「開咬」
  • 前歯の間にすき間ができやすい「すきっ歯」

飲み込むときに舌が前歯を押したり、普段から舌が前歯の裏に当たっていると、少しずつ前歯が押し出されてしまいます。また、舌を歯と歯の間に挟むクセがあると、前歯がかみ合わず、開咬になりやすくなります。
このような歯並びは、見た目だけでなく、かみにくさや発音のしづらさなどにもつながります。舌癖が続いている場合、歯並びだけ整えても舌のクセが残っていると、再び前歯が動いてしまうことがあるため、舌の位置と矯正治療の両方を意識した計画づくりが大切です。

トレーニングだけでは難しいケースとは

舌のトレーニング(MFT)だけで改善を目指せるのは、舌癖が比較的軽く、歯並びの乱れも小さいケースが中心です。一方で、次のような場合は、トレーニングだけでは歯並びの変化があまり期待できないことがあります。

  • 出っ歯や開咬の程度が大きい
  • 上下の顎の大きさや位置の差がはっきりしている
  • 歯が大きく、顎の骨のスペースが足りない
  • 大人になってから長く舌癖が続いている

このようなケースでは、舌の位置やクセを整えつつ、矯正装置で歯や顎の位置を整える治療が必要になることがあります。どこまでトレーニングで対応できて、どこから矯正治療を考えた方がよいかは、お口の中を拝見して判断していきます。

舌のトレーニングと矯正治療を組み合わせるメリット

舌癖がある方ほど、舌のトレーニングと矯正治療を組み合わせることで、次のような良い点が期待できます。

  • 歯並びを整えながら、舌の正しい位置や飲み込み方も身につけられる
  • 矯正治療後に、舌癖が原因の「後戻り」を抑えやすくなる
  • 見た目だけでなく、かみやすさ・話しやすさ・鼻呼吸のしやすさなど、機能面も整えやすい

当院では、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の両方に対応しています。舌の位置や舌癖を丁寧にチェックしたうえで、お口の状態に合った治療方法についてご相談いただけます。「舌癖が強いと言われた」「トレーニングだけでよいのか知りたい」といったお悩みも、矯正治療が必要かどうかを含めて分かりやすくお話しします。舌の位置や歯並びが気になる方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

舌の位置が気になる方は福岡市城南区の「梶原歯科」へ

歯の検診を受ける女の子
舌の正しい位置や舌癖は、ご自身だけで判断するのが難しいことも少なくありません。鏡でチェックしてみて「舌がいつも下がっている気がする」「出っ歯や前歯のすき間が気になる」「お子さまの口呼吸やポカン口が心配」といったお悩みがあれば、一人で抱え込まず当院にご相談ください。
当院では、舌の位置・舌癖のチェックに加え、歯並びやかみ合わせ、口呼吸の状態など、お口全体を丁寧に確認します。そのうえで、舌のトレーニングの方法や、矯正治療が必要かどうかなどをわかりやすくご説明いたします。
舌の位置や歯並びが気になる方は、どうぞお気軽に梶原歯科までご相談ください。
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